WordPress (Automattic社)と WP Engineの対立は泥沼化しており、ワードプレス.orgがWP Engineに対してプラグインの公式ディレクトリにアクセスするのを禁止処置し、訴訟に発展するなど泥沼化しています。この対立はなぜ起こったのか?ユーザーに何が影響するのかについて解説いたします。

WordPress (Automattic社)と WP Engineの対立の発端

WP Engineはワードプレスのホスティングサービスで、Automattic社のwordpress.comと競合する面もあるサービスです。

※現時点で日本ではWP Engineを使っているユーザー様は少ないのではと思われます。

この為、Automattic社は、ワードプレスの機能向上にはほとんど貢献せず、自社サービスのwordpress.comの顧客を食うだけのWP Engineの急拡大に警戒心を持っていたというのは想像にがたくありません。

WP Engine is not WordPress(Automattic社声明)

WP Engineは WordPress で約 5 億ドルの収益を上げており、週に 40 時間しかワードプレスの発展に還元していません。Automattic社 は、週に 3,915 時間をコミュニティに還元しています。

またWP engineはワードプレスのレビジョン機能をサーバーリソースの節約のためにデフォルトで切っている事がWP engine社によってAutomattic社(自社)の利益(もしくはワードプレスのオープンソースコミュニティー)を脅かし、ワードプレスが金もうけに利用されているだけというAutomattic社(ワードプレス)の創始者のマレンウェッグ氏の想いを強くしたようです。

WP Engine is not WordPress(Automattic社声明)

WP Engine が、ユーザーに対してソフトウェアが約束している信頼性と神聖性を、彼らがお金を節約するという約束で破り、より多くの利益を引き出せるようにする方法の具体的で技術的な例を示したいと思います。

WordPress はすべての投稿に加えた変更はリビジョン システムで追跡されます。つまり、間違いを犯しても、いつでも元に戻すことができます。また、履歴と編集を正確に確認できます。これらのリビジョンは、データベースに保存されます。

WP Engine はこれを無効にしています。変更履歴をデータベースに保存するにはコストがかかり、そのコストをコンテンツ保護に使いたくないため、リビジョンを無効にしています。これは WordPress の核心、つまりコンテンツの完全性に反する行為です。

Automattic社(ワードプレス)のマレンウェッグ氏によればこのようなサービスが拡大することで、ワードプレスという商品自体の持続可能性が困難になっていくだろうとの事。

ワードプレスのプラグインディレクトリへのWP Engineのアクセスへの停止

WP Engineは上記記事の後に、Automattic社に、自社サービスを非難されたとして、それを停止するよう勧告書を送信。

その後Automattic社がWP Engineに対し、WordPressという名称を、さも自社がワードプレスの公式サービスのように使用するのをやめるように勧告し、さらにWP Engineにホストされているワードプレスのサイトにワードプレス.orgのプラグインの公式ディレクトリにアクセスするのを禁止処置し、WP Engineではプラグイン等のアップデートができなくなるという事態になってしまいました。

この事によってWP Engineにホストされているワードプレスサイトは脆弱性をふさぐことができなくなり、大きなセキュリティー上のリスクが時間がたてばたつほどのしかかることになります。

この為、patchstack.comは脆弱性の詳細情報を後悔するのを一時停止するという形になり、対立の影響が拡大しています。

ワードプレスのユーザーへの影響と今後

前述のワードプレスの脆弱性の情報は、その他のサイトでも公開されており、現時点では大きな影響はなく、日本ではWP Engineをホスティングに使用している例は非常に少ないと思われますのでワードプレスを使用されているユーザーの方々への影響はほぼないといえそうです。

今後推移を見守っていきたいと思います。

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