ワードプレスは共用サーバーにインストールして運用する方がセキュリティー上や保守性、速度の面でもメリットが大きいといえるかと存じます。この理由を解説いたします。


様々のサーバーで運用できるワードプレス

サーバーには大きく分けて下記のような2種類のサーバーがございます。

1 共用サーバー

サーバー会社がサーバーのOS,やソフトウェアの構成をあらかじめ決定インストールしてあるもので、そのメンテナンスはサーバー会社によって行われ、、複数のユーザーがその構成の下に、サイトのデータをアップロードしてウェブサイトを表示しています。
サーバーそのもののソフトウェア構成やOSの変更はできないか大きく制限されており、このようなことができるサーバー上の権限(Root権限)はユーザーに与えられていません。

2 専用サーバー(もしくは仮想の専用サーバー)

専用サーバーとは、サーバーの機械丸ごと、もしくは仮想で区切られたサーバーそのもの(独立したOS環境として複数のユーザーに割り当てられます)をレンタルするタイプのサーバーです。VPS、AWSはこのタイプにあたります。
このタイプのサーバーでは、ユーザーにROOT権限が与えられており、ユーザーはサーバーのOSのアップデートや、様々なソフトウェアそのものをインストールし、サーバー環境を自由に構成することができます。

専用サーバー(もしくは仮想専用サーバー) VPSなどでワードプレスを運用するデメリット

1ワードプレスは一般的な共用サーバーで動くように既に最適化されています

ワードプレスは、Apache(HTMLを送信するソフト)、Mysql(データベースソフト)、PHP(Apache上で動作するプログラミング言語)があれば、動作いたします。
また、上記ソフトウェアの一般的な機能しか使われていませんので、高度なサーバーの拡張などは必要なく、非常に普及しているCMSですので、多くのサーバーが共用サーバーで問題なく動かすことが可能なように既に最適化されております。

翻ってサーバーそのものを構成する必要のある専用サーバーでは、サーバーの構成を1から作る必要があり、手間がかかります。FTP接続も初期状態ではできないことが多いです。

また、PHPのアップデートが多くの共用サーバーでワンクリックで簡単に切り替えられるのに比べ、専用サーバーでは古いバージョンのPHPのアンインストール、新しいバージョンのPHPのインストールを行う必要があり、保守コストが大きくなります。

2サーバーそのもののセキュリティーを考慮メンテナンスする必要がある

専用サーバーの場合、ワードプレス自体のセキュリティーに加え、サーバーそのものの侵入も警戒し、サーバーのセキュリティーソフトウェアを構成する必要がございます。
IPテーブルの設定、WAFの設定、また、OS,Apache,Mysql,PHPの定期的なアップデートなどワードプレス以外のメンテナンスも必要となり、保守コストが高くなってしまいます。

3ワードプレスの動作が重くなる

こちらは一般的な話になりますが、VPSなどの専用サーバーは、その高カスタマイズ性に比べ、サーバーのコンピューターのスペックが低かったりします。この為、サイトの速度が低下することがあります。
また、プロセスがたまってきたりすると定期的なOSの再起動をしないとサイトの表示速度がどんどん低下することがございます。

ワードプレスは非常に普及しているCMSのため、各サーバー会社が共用サーバーでワードプレスの処理速度を向上するために、様々な拡張を行っておりしのぎを削っているという事もあり、ワードプレスの動作は安価な共用サーバーの方が早いという状況です。

ワードプレスは高速な共用サーバーで運用することをお勧めいたします

ワードプレスだけのサイトを構築する場合、XserverやLolipopp、Sakuraインターネットなどの、共用サーバーで運用する方がメンテナンス性、保守性、高速性が高い場合が多く、専用サーバーにするメリットはあまりないと考えられます。ワードプレスのサブドメイン型のマルチサイトも共用サーバーの多くで動作させることも可能です。

もし、Pythonなどのサーバーそのものの上で動くプログラムを必要としたり、複数の特殊なバッチ処理などが走る独自のソフトウェアをサーバーで構築しており、そのサブ的な役割でワードプレスサイトを同サーバー上でホストする必要があるなどの特殊な事例を除いては、ワードプレスサイトの運用は共用サーバーで行われることをお勧めいたします。

WordPress の専用サーバー(VPS等)からの移行、メンテナンス、修正等のご依頼ご相談はワードプレス ドクターまでお気軽にお送りください